マ王

□男のプライドはあっけない
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「ちょ、ちょちょ!」
「何だ。お前はいいから続けろ」


無理に決まってんだろ!
こんな状況で「はい、どうぞ」とかいう奴いないだろ!
いたら見せてくれ!
なに、グウェンって鬼畜系だったの?
コンラッド情報の、可愛いもの好きは嘘だったの?
いや、でも猫ちゃんは好きだしな・・・。


「何をボーっとしている。陛下から来ないのならば、こっちから行かせてもらう」
「あい!? いやいやいや、ちょっと待て! あっ、や・・・ちょ」
「なかなか良い声を出すな」


変な声出たー!!
駄目だ、渋谷有利。気をしっかり持て。流されるな。
今日は何しにグウェンの部屋に来た? 男になるためだろう!
当初の目的を忘れるんじゃない。
相手が鬼畜なら、それを上回ればいいんだ。
ん? 鬼畜の上って何だ?


「こ、こっから先はR指定ー!」
「あ、あーる?」
「R指定はパス付けるって、とある業界で決まってんだよ!」
「どこの業界だ」(ドラマCDネタ)
「俺たちが一生をかけても入れないであろう業界だけど、そこは深く突っ込むな」
「何を言っているのか分からないぞ」
「分からない方が良いさ」


あ、危なかった。
あのままじゃ、俺が下になるとこだった。
それだけは絶対に阻止しなければ。


「そ、それに。そんなもんが俺の中に入るわけ無いじゃん。男のそこは、そういう行為のために作られてんじゃね・・・」
「確かにユーリの(自主規制)は、狭くて温かそうで締めつけが強そうだな」
「自重してくれ!」


そんな恥ずかしい事よく真顔で言えるな。
聞いてるこっちが恥ずかしいよ。
てか、ヴォルフと接してる気分になる。


「それにユーリの言い分を聞くならば、私の(自主規制)も作られているわけないだろう」
「う・・・」


そっか、そうだな。
じゃあ、どうすればいいんだろう。


「・・・ユーリは私に抱かれるのが嫌か?」
「え?」
「私に、愛撫されるのは嫌か? 私はお前を抱きたい。気持ち良くさせてやりたい。・・・愛してる」
「そ、んなの、俺だって」
「ユーリ」


グウェンの低音ボイスで名前を呼ばれると、体の心が痺れた感覚に陥る。
脳がくらくらして、何も考えられなくなるんだ。
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