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□茂巣Love!
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「わっ」
「おっとすいません。お困りのようでしたので」
「え? あ、ありがとう」
「いえいえ」


体勢を立て直すとまたもや神泉君に腕を引かれ、そのままミスドさんの所から離れる。
腕を離されると神泉君とは違う質量に体が揺らぐ。
驚いて辺りを見回すと、31さんとロッタ君が1人ずつ両脇で腕を掴んでいた。


「ロッタ君に31さん!?」
「モスも大変だよね〜」
「そうだよモスぅ。疲れないの?」
「べ、別に疲れませんが」


珍しいな。このコンビが僕の所に来るなんて。
明日は雨か槍が降るだろうか。
てかこの2人、僕を挟んでメンチ切りあってるぅ!
ちょ、僕を巻き込まないで下さい! お願いしますから!


「ちょっと何。何でお前が抱きついてんの」
「はぁ? モスだって私みたいな可愛い子に抱きつかれたら本望でしょ」
「え、どこに可愛い子いんの? え、どこ?」
「・・・表に出やがれぇ!」
「やめて下さい! ここ表ですから!」


なんなんだよもう! さっきのことより今の方が数倍疲れるよ・・・。
でも何でミスドさん怒ってたんだろ。
はっ、まさか僕の作ってきたお弁当が気に入らなかったっとか!?
じゃなかったら、僕の態度が気に入らなかったとか。
距離離しすぎたのか・・・!


「答え教えてあげようか子猫ちゃん」
「・・・人の心読まないで下さい、ファッキンさん」
「ファッキン言うな。そりゃあそんな百面相見せられた大体分かるでしょ。モスならなおさら」
「・・・ファッキン」
「ファッキン言うな。デレろ。ミスドへのデレを俺にもくれ」
「ファッキン」
「ファッキン言うな」


まともなのは神泉君とミスドさんだけか。
てかどうして僕だけなんだよ!
前言撤回、今日は最悪の日だ。僕は占いで最下位なんだ。
ってあれ。なんかジューシーな臭いが。どこから


「って健太さぁーん! 何食べてんですか!」
「ああ、お腹が減ってしまって。美味しいですよ、レッ●ホッ●チキン。食べますか?」
「あー、夏は食べたくなりますよね。って違います! チキンわざわざ持ってきたんですか!?」
「ええ、まぁ。お一口いかがです?」


はぁ。チキン食べる気分じゃないんだけどな。
でも健太さんのチキンは美味しいし。レッ●ホッ●チキン好きだし。
この辛さが良いんですよね。


「・・・あれ?」


箱から一個もらいほおばっていると、視界がグニャリと突然歪んだ。
支える物が無かったので、簡単に地面に倒れてしまう。
どこか体も熱い・・・気がする。どうしたんだろう。


「も、モスさん! どうしたんですか!」
「健太・・・」
「健太さん・・・」
「何でそんな人をさけずんだ目で見るんですか! 私は何もしてませんし、もちろんチキンに何も入れてません!」
「・・・健太も有りか」
「何が有りなんですか!」


う〜、騒がしいな。頭が酷く痛む。
これは・・・、風邪ひいてしまったか。
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