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□女顔
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こうなったら、僕の味方であろう男子に助けてもらうしか策はない!
とりあえず、身近に居る男子を探し出す。
席順からいえば、1番僕の近くに居るのは目の前のユイカイ君か。
でもこの人・・・HRから爆睡してるし!
いつもはあんなに動いてくれるのに、何でこういう時に限って役に立たないのさっ。
「・・・僕ずっと思ってたんだけどさぁ」
突然声を発した方向へ顔を向ければ、楽しそうに笑いを浮かべて机に座っている子日君が居た。
その視線は僕へ真っ直ぐ向けられている。
嫌な予感が体を走りぬけ、僕は小さく身震いをした。
「ミカゲ君ってさぁ、性別怪しいよねぇ?」
「な、何言ってるの子日く」
「女の子でも、男の子の服着れば何とかなるだろうし〜」
「ぼ、僕は男だよ!」
「焦るところがますます怪し〜」
「君が変な事言うからでしょ!?」
子日君の発言にビックリして、おもわず席まで立って反論してしまった。
それがどう取られたのかは分からないが、クラスメート達が好奇心をはらむ目で僕に顔を向け始める。
「そ、それにっ。ユイカイ君と一緒にお風呂入った事あるし!」
そうだよ。僕を女の子だと疑うならば、僕が男だって事を直接見てるユイカイ君がここに居るじゃないか!
ユイカイ君が駄目なら、クギウチ先生を証人にしてくれたっていい。
僕を最初に拾ったのはあの人なんだから、きっと分かってるはずさ。
「・・・あれ、何で僕こんなに反論してるんだろ」
自分が男だという自信をそんなに持ってるならば、わざわざここまで強く反論しなくても、どうどうとしてればいいだけの話しじゃないだろうか。