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□その場の勢いで行動すると99%後悔する
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「只今帰ったよ〜」
買い物から帰ってきたユキは、玄関に荷物を置きながら、小さな違和感に気付いた。
「・・・異様に静かだね」
疑問を口にしながら靴を脱ぐと、すぐにスーパーの袋を持ってリビングに向かう。
顔を覗かせれば、そこにはライとクモリの2人しか居なかった。
いつもなら、いの一番に玄関まで出迎えてくれるハレが居なかったのだ。
「テレビの音しかしないと思ったら、ハレはお出かけ中かな?」
「うぉ、ユキ! いつの間に」
「おかえり」
「ただいま。帰ってきたのはついさっきだよ。お迎えも無いなんて寂しいな」
「あ、悪い・・・テレビに夢中で気付かなかった」
「ごめん」
「怒ってはいないから、別にいいんだけど」
ハレが居ない静けさに、ユキはいささか物足りなさを感じていた。
家の中が、モノクロに見えるようだと、ユキはこっそりため息をついた。
「あれ、アメは?」
「今車をしまってるよ。あと2人とも、夕食の手伝いをしてくれるかな」
「えぇ〜」
「・・・めんどくさい」
「ライ、今日の夕ご飯はカレーにしようかな。ジ●ワの辛口で」
「え!?」
「クモリ、これからはパソコンの使用に制限をつけるよ?」
「ぐ・・・」
素直にうなずかない2人に、ユキの厳しい一言が降りかかる。背後にはブリザードが見えそうだ。
「分かったら、すぐにキッチンまできてね」
唸りながら黙った2人を一瞥してからユキは袋を持ってキッチンへ向かった。
「たっだいまー!って、あれ。ハレ君は?」
「居ない」
「えー、つまんなーい。せっかく今日は」
「アメ、暇なら手伝え」
「っちぇ」
アメがしょうがなくキッチンへ足を向けると、ライ達も重い腰を上げて、その後を付いていった。