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□その場の勢いで行動すると99%後悔する
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場所変わって、ここはとある繁華街。
ハレの脳内では、人が多く集まる場所=安心という方程式が出来ているらしい。
なんの心配も無さそうに、笑顔でお店を見回っていた。


(ねぇ、あれって・・・)
(本物!?)
(きゃー! かっこ可愛い!!)


しかし、戦隊物のリーダー役をやってるハレは、周りから見たらかなりの有名人。
顔立ちも悪くないハレは、子供だけではなく、奥様方にも人気がある。
当然、彼の周りには人だかりが出来始めていた。


「あの〜・・・」
「はい?」
「もしかして、お天気戦隊ハウウェザーのハレさんですか?」
「そうですけど・・・何か?」


ハレが呼ばれた方に顔を向けると、可愛らしく頬を染めた、うら若き若奥様がいた。
1人かと思いきや、そこには老若男女問わず、結構な人だかりが発生していた。
いつの間にやら、情報は口コミで広がったらしい。


そしてすぐにハレは握手やら、記念撮影やら、サインやらで押しつぶされそうになっていた。


「うわわ、ちょ・・・助け」
「わたし大ファンなんです!」
「ハウウェザーの中で、1番好きです!」
「ハウウェザーのリーダーだ!」
「すげぇ、本物じゃん」


輝く瞳で、憧れの眼差しを向ける者もいれば、せかっくのチャンスなんだから、お触りしたい!と、欲望混じった瞳を向けてくる者もいた。


ハレはあまりの大衆の勢いに、軽く涙目になる。
しかし、そんな行動すら、欲望渦巻かせる人たちには逆効果を示すだけ。
ハレに涙目で見つめられたファン達は、すぐさま写真に収めたり、中には男性もが頬を染めたりもしていた。


「テレビで見るより可愛い〜!」
「・・・俺コイツなら抱けっかも」
「お持ち帰りした〜い!」


いろいろな場所をボディタッチされながら、ハレは心の中でずっと助けを呼び続けた。
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