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□みんなが怖いです。
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「顔赤いぞ」
「誰のせいだと思ってんだー!!」
「・・・俺のせいか?」
「十中八九お前のせいだわ!」


おい、なにニヤニヤしてんだライ。
俺は怒ってるんだぞ?
まさかお前までアメみたいに変態になったんじゃあ・・・。
あ、ヤバイ。風邪でも引いたかな。凄い寒気がしてきたぞ。
俺が腕を擦っていると、ライは何故か真剣な顔つきになり、俺に話しかけてきた。
こんなに真剣な表情はなかなか見れない。
おもわず俺までもが表情を硬直させる。
ライが口を開いたその時、まるでタイミングを狙ったかのように基地の警報が鳴った。
俺とライはびっくりして、同時にモニターの方を見る。
どうやらタイフウがまた注意報を起こしているようだった。


「出たな、チュウイh」
「人が大事なことしようとしてる時に出てきやがって・・・ぶっ殺す!」
「正義の味方が殺すとか言っちゃ駄目!」


ライがあまりにも機嫌悪そうな低い声で恐ろしい事を言うので、俺は顔を青くしてライを押さえた。


「倒すぐらいにしとこうぜ、なっ」
「甘いな、ハレ。相手はチュウイホウ。俺達はハウウェザーだ」
「そう! 相手はチュウイホウだから!」


やばいやばい! ライの目が完全に据わってるって!
てか、そんなに大事なこと話してたっけ?
俺がライを抑えるのに苦戦してる中、台所から晴れ晴れとした顔のユキと、ボロボロで明後日を見つめるアメが現れた。
アメ・・・自業自得。


「みんな! チュウイホウが出たんだ!」
「ええ、分かってますよハレ」
「早く倒しに行こうぜ!」


俺は無理矢理倒すを強調して仲間に叫んだ。
だけど、俺のそんな努力も空しく、ライは低い声で物騒な言葉を吐き出す。


「チュウイホウ・・・地獄を見せてやる」
「キャラ保てー!!」


ライ、そういうブラック発言はユキの仕事だから! ライは末っ子ヤンキーのツンデレ設定だから! そこんとこ忘れないで! 子供たちの夢壊さないで! っていうか、奥様方の夢を壊さないで!


「おやおや、随分とライは機嫌が悪いようですね」
「ハレ君が一生懸命で可愛い。僕にも同じことしてくrぐふッ」


またアメがなんか変な事言い始めたから、ユキのストレートがおもいっきり腹に入った。
アメ、いい気味だ。
俺が親指を立ててユキに合図すると、ユキは笑顔で微笑んでくれた。さすがお母さん。口に出すと怒られるから言わないけど。
俺の親指を見て、また何か雨がハァハァ息荒かったけど、無視した。
そしてふと気付くと、ライの姿が忽然とその場から消えていた。


「しまったぁあああああ!」


俺は慌てて基地から出ると、モニターの地図に示された場所へ走った。
早く行かないと、タイフウ達の命が危ない!
あれ、何で俺味方よりも敵を心配してんだろ。
でも俺の直感が急げって言ってるのは確かだ!
俺が行くまで生きてろよ、タイフウッ。
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