特別製作

□男子校パロ*高桂土→銀
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学ランを着て、猛スピードで走る男が1人いた。
男の名前は坂田銀時。彼は何から逃げているのだろうか?
特に彼の後ろには影一つ立っていない。と思っていたら、突然道の塀がめくれて長髪の男が現れた。
ニヤニヤと笑っている姿がとてもイラつかせる。


「づ、ヅラ!」
「おはよう、銀時。今日も可愛らしいな!」
「うるせー! そこどけよっ」
「銀時、俺と学校へ行こう」
「行かねーよ! いいからどけよ!」
「銀時は照れ屋さんだな。まあ、そんなところも好きなんだが」
「こいつウザイんだけど!」


終わりの見えない会話に怒りが増す銀時。
しかも道を通してくれない相手、桂に嫌気が刺していた。
そんな銀時の様子にも気づく様子のない桂。
刻々と学校の時間は迫っていた。


「ヅラ、マジでそこどけよ! 今日遅刻したら、土方に居残り強制なんだって!」
「なぬ! 先生と放課後2人っきりだと!? それはいかん。俺は許さんぞ銀時!」
「だったらそこどけよ」
「ならば一緒に行こう」
「こいつ死ねばいいのに」


やっと話を分かってくれたかと思ったら、どれだけ譲れないのか、まだ一緒に行きたいとぬかす桂。
銀時は諦めたようにため息を吐いた。
桂はそれを見ると、眉を寄せて言った。


「銀時、ため息をつくと幸せが逃げるんだぞ」
「あーはいはい。もういいから学校行こうや」
「やっと一緒に行く気になったか、銀時!」
「もういいから。はよ行くぞ」
「もちろんだ!」
「あー、居残りめんどくせえ」
「普段の行いだろ」
「今回はてめーのせいだろ!」


携帯の時間を見た銀時は、今から走っても間に合わないとけりをつけ、桂とおとなしく歩くことにした。
これから待つ説教と放課後を思っては、気分は沈む一方だった。
隣で歩く桂はとてもご機嫌だったが。


「朝から憂鬱〜」
「む、だから銀時。ため息をつくと」
「あーはいはい」


これが銀時の朝の風景。
桂はわざわざ銀時が登校するであろう時間帯を狙って、塀に身を隠しているのだ。
考え方を変えれば、立派な変態のストーカーだが。
銀時は疲れ果てていて、そんな事を考えている余裕も無かった。
銀時たちが学校へ着くと大概の生徒はみんなクラスへ行ってるため、門の前はとても静かだ。
そんな静けさにも慣れながら、2人は門を入っていった。
2人が土方の説教を食らうまで、あと6分。



指定靴を履いて教室へ向かうと、クラスはSHRを行っていた。
2人の姿を見つけた担任の土方は、鬼の表情に変えて怒鳴りつけた。


「てめーらまたか!」
「あー、放課後だるい」
「こっちがだるいわ!」
「先生、遅れました」
「いや、桂。ちゃんと報告してもどうにもならねーから
「放課後だるいです」
「うるせー!」


クラスはもはやめんどくさそうに先生とのやり取りを見ている。
結局朝は土方の説教でSHRは終わった。
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