特別製作

□女体化*有利受け
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眞魔国にいつもの平和な朝が訪れた。


「何じゃこりゃぁあああ!」


渋谷有利原宿不利、今日の第1声はこれだった。
その声でまだ眠っていたヴォルフラムが、目を擦り唸りながら身体を起こす。


「どぉした、ユー……」


ヴォルフラムの声が耳に届いた瞬間、すかさず近場にあった枕でヴォルフラムの顔を隠した。


「むぐっ!?」
「目を開けるな! 俺を見るなぁー!!」
「ちょ、おい!」


その勢いのままヴォルフラムをドア近くまで押していき、部屋の外に追い出した。


「あ、危なかった……」


一息ついた俺は自分の手を胸まで持っていき、再度確かめてみた。


「やっぱり……夢じゃない……よな?」


自分の胸となる部分には、大きめの膨らみが存在していた。
初めて触る女性の胸が自分のだなんて、かなりむなしすぎる。


「俺男なのに……しかもちょっと大きめだしぃ」


地面に膝を着き、俺ははうなだれた。
そのまま泣き崩れそうだ。

「昨日何かしたっけ? アニシナさん絡みとか」


アニシナさんアニシナさんアニシ……


「あー……そういえば昨日寒気がするって言ったら風邪薬くれたっけ。まさかあれ……あれかぁー」


どんな事でも、原因元が分かると案外ホッとするものだ。
それがアニシナさんなら尚更納得出来てしまう程に、俺は眞魔国で経験を積んだ。


「アニシナさんに聞くしかないよな。……もにあた覚悟で」


俺は立ち上がり、鏡の所まで歩いた。そんな鏡に映る自分を見て一言。


「ヨザック並みじゃん……」


本人がいたら絶対に言えない事を呟いてみる。


「と、とにかく。いつもの学ラン着てたら確実にばれちゃうよな……何とかしないと」


そう思案していた時、部屋のドアがノックされた。
扉の向こうから聞こえたのは、相棒兼名付け親の聞き慣れた声。


「陛下、どうなさられました?」
「コンラッド!? ……言い付けたなヴォルフラム!」
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