D灰

□手当ての王道
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俺がイライラしながら任務報告を上の奴に済ませると、コムイから余計なものを聞く破目になってしまった。
おかげで俺のイライラは倍増する。


「チッ・・・あのモヤシ、簡単に風邪なんかひきやがって。だから女々しいんだよ」


今は廊下を歩いているため、俺の言葉に返事を返す奴も居なかった。
特に返事が欲しい訳でもねぇから、そのまま教団の階段を上り続ける。


どこに向かっているかなど他人に話す義理もねぇから、誰かが俺に近づいて来ねぇようにオーラで威圧してやる。
そんな事しても、俺の機嫌が良くなるなんて事はなかったが。


「・・・ここか」


しばらくして俺は足を止めた。
目の前にあるドアを軽く見つめると、ノックをせずに開けて中を見渡した。


すれば、いつもよりいくらか色のついた顔と目線が合う。
ベットに横になり、荒い呼吸をしているモヤシがそこには居た。
俺の登場に相当驚いたのか、普段でもデカイ目をさらにデカくしやがった。


「か、んだ・・・?」
「俺以外に誰が居るってんだ」
「そうですね・・・。でも突然だったのでビックリしました」
「テメェが勝手に風邪なんかひくからだろ。馬鹿は普通風邪をひかないんだがな」
「貴方よりかはいくらかマシな頭脳を持ってますよ。それに僕は貴方の許可が無ければ、おちおち風邪もひけないんですか」
「風邪をひいていても、その口は変わらずか」
「お褒めいただき光栄ですよ」
「チッ」


このペテン師が。
コムイから聞いた情報だと、熱が40度あるって言っていたが、苦しんでる姿勢など一切見せやしねぇ。
この様子だと、リナリー辺りの前でも同じみたいだな。
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