D灰

□キャラを考えろ!
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数日前、神田に名前を呼んでもらったアレンは、心なしか気分が良かった。
当初の言い分どうり、1年では認めてもらえなかったが、かなりの時間をかけてやっと名前を呼んでもらえたアレンは、かかった時間など関係なく、素直に喜んでいた。


「これって認めてもらえたって事ですよね。なんだか嬉しいです」


いつもより上機嫌でアレンは仲間のもとに向かう。無意識だろうか、どこか足取りも軽く見えた。


「みなさん! おはようございま・・・」
「アレン!!」


アレンが挨拶を終える前に、ラビが慌てて声をかけた。冷静沈着な彼がここまで慌てるのは、なかなか珍しい光景だ。
ましてや、相手の言葉を遮って声をかけるなんて、聞き上手のラビにはありえない行動だった。


「あれ、ラビ何でそんなに慌ててるんですか?」
「アレン! ここに来るまでに、ユウと会わなかったか?」
「神田? いえ、廊下では別に誰と・・・」
「ファーストネームで呼ぶなって言ってんだろ、馬鹿兎」


またアレンの言葉は、おそらく今この場で最も注目を浴びているであろう人物の声に止められてしまった。
アレンの上機嫌だった気分が、軽く下降してしまう。


「・・・お腹が空きました」


ふと思った事を、アレンはおもわず口からこぼす。すると、明らかに纏っていた空気が変わった人物が現れる。
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