D灰

□夏に入りました
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英国にも夏がやってきました。
しかしお国柄、連日外は雨天続き。
ジメジメした空気が教団にまとわりつきます。
エクソシストのアレン、神田、ラビ、リナリーも夏の空気にやられて、ソファーに座りながら皆ぐったりしています。
アレンはジェリーさんに入れてもらったアイスココアを口に含みながら、シャツ1枚で第1ボタンを外しソファーにだれています。いつもしている赤いリボンタイもしていません。


「・・・あつ」
「アレン、そんな格好しちゃいけません」
「ラビだってタンクトップ1枚じゃないですか」
「俺はいいんさ。でもアレンがそんな格好すると、隣の変態が息荒くするから」



アレンは目を細めて隣に座っている変態を見た。
そこには無表情でアレンの胸元をガン見している神田がいた。もちろん鼻血垂れ流しつきだ。
アレンは現恋人の神田に遠慮なく引いてみせると、別のソファーに移ろうとした。
しかし立ち上がった瞬間に神田に腕を掴まれ、渋々ソファーに座りなおした。
腕を掴まれながら、神田のセクハラは続いている。


「私アレン君が何故神田と付き合っているのか分からない」
「俺もさ」
「・・・僕もです」
「愛だろ」
「キャラ崩壊もいい加減にしろよバ神田」


アレンの罵倒とともに、リナリーの華麗な蹴りが神田に入る。それをラビは「ざまぁ」と思いながら見ていた。
神田が倒れたのを確認すると、アレンは窓の外を見ながらため息をついた。


「これだけ雨が続くと、気が滅入りますね」
「ほんとさ」
「なにか良い方法はないのかな」


すると、リナリーの蹴りで死んでいた神田が突然生き返り、さりげなくアレンとの距離を詰めると、いつもの仏頂面で煎茶片手に話し始めた。


「ここは日本文化に沿って肝試しだな」
「なんで生き返ってんですか」
「しぶとい奴さ」
「もう1発入れとく?」
「モヤシ以外話しを聞け」


久々のギャグなので作者はテンションが上がってます。申し訳ありません。
リナリーは舌打ちをしながら、神田の言葉を数回繰り返した。
ラビは性格上、こういうイベント事は大好きなので、肝試しという言葉に顔を輝かせた。
アレンは少し複雑そうな顔を見ながらみんなの顔を見回していた。


「いいじゃん肝試し!」
「確かに、おもしろそうだね」
「・・・本当にやるんですか?」
「安心しろモヤシ。俺が守ってやる」
「貴方に守られるぐらいなら霊についていきます」


3対1で、肝試しは決行に決まった。
アレンは渋い顔のまま、ことの成り行きを見守っている。
主にラビとリナリーが楽しそうにルールを決めていった。
神田はアレンを見るのに忙しそうだった。
まずルールとしては、変態から子羊を守ため、あえてグループは作らず単独行動となった。
次に取りに行く物に関しては、互いが互いの物を肝試ししながら隠す、とうことになった。
つまり、リナリーがラビの物を隠すとしたら、ラビの物を隠した後に、誰かが隠した自分の物を探し始める、ということになる。
もちろん自分の探し物が見るつかるまで、その人の肝試しは終わらない。


「結構スリリングですね」


決められたルールを聞くと、アレンは少し顔を青くして手を握り締めていた。
神田がそれに気付いて、アレンの手を上からそっと握り締める。
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