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□茂巣Love!
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僕は某ハンバーガー店のモスです。
今日は皆さんとドライブに来ました。運転手はピザハさんです。
夏も終わりに近づいているとかなんとかマックさんが言い出したので、みんなを連れてドライブする事になりました。
別に僕は行きたくなかったんですが、ミスドさんも行くらしいのでついてきただけです。
ちょっと楽しみだとか、全然これっぽちも思ってません。


「モスどこに向かって歩いてんだ?」
「そこに突っ込むか、マック」
「・・・モスさんはいつもの事」
「まぁそうだよね〜」
「何気に酷いよね、君たち」


でもあからさまにミスドさんの隣を並んで歩くのもどうかと思ったので、ちょっと距離を置いて歩いてます。
へタレじゃありません。決して違います。
ただしつこい男と嫌われたくないだけであって。


「・・・おい、あいつ誰か連れて来い」
「こういう時こそミスドじゃん?」
「そうですね」
「俺は別にマックでもいいと思うけどな」
「俺が?」
「てかいい加減連れて来い」


ちなみに僕はこの日のために沢山お弁当を作ってきたんです。
もちろん野菜もたっぷり入れて健康重視です。
そしてお勧めはこの、


「モスさん、それお弁当?」
「へ? あ、み、ミスドさん! そ、なんです。結構作っちゃって」
「凄く美味しそう」
「あ、ありがとうございます!」


モスよくやった! 朝起きした甲斐があった!
しかもミスドさんから僕に近づいてきてくれるなんて、今日は運が良いのかもしれない。
やっぱりピクニックついてきて良かった!


「おい、駄目じゃねーか! なんかいちゃいちゃしてんじゃねーか!」
「だから俺はマックが行ったほうが良いんじゃないかって」
「キングが珍しくまともな事言ってる」
「さすが兄さん。弟に容赦ない」
「モスは根っからの主夫?だな」
「いいからマックいってこい」


ミスドさんがいつも以上に興味持ってくれてるなんて。
これほど幸せな時間はないですね!
まぁ、ちょっと雑音が聞こえたりしますが、ミスドさんの存在が近くにあるだけでそんなものシャットアウトされます。
ああ、ミスドさん、僕は!


「てめぇモス! 目的地はこっちだ。どこ行こうとしてんだよ」
「何ですか! ってえ、あれ?」
「ばーか。ったく、しょうがねーな。ほら」


道を間違えていたのは謝りますが、何ですかこの手は。
何で僕に差し出されてるんですか。
まさか繋げと言ってるんですか。僕は子供か!


「子供扱いしないで下さい」
「別にしてねーよ」
「じゃあなんで手を差し出すんですか」
「こ、これはだなっ」
「駄目」


何か否定言葉が聞こえたのでそちらに顔を向けると、そこには僕を無表情で見つめるミスドさんがいた。
見つめられるのはとても嬉しい事だったが、少しいつもと雰囲気が違う気がした。
どこか怒ってるようなオーラを纏っている。


「ミス、ドさん?」
「んだよミスド。モスを呼んだのは俺だぜ?」
「でも駄目」
「おい、何ミスドさんに喧嘩するような事言ってんだよ」
「先に売ってきたのはミスドだぜ?」
「はぁ? 何言ってるんですか」


だんだんミスドさんの影が濃くなっていく感じがした。
僕はちょっとだけ恐怖を覚える。
睨みあう2人をどうすればいいのか分からないであたふたしていると、後ろから神泉君が僕の腕を引っ張った。
おもわずそのまま神泉君に倒れこんでしまう。
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