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□みんなが怖いです。
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よう! 俺はお天気戦隊ハウウェザーのリーダー、ハレだ!
そんな俺には最近悩みがある。それは……。


「ハレ、ちゃんと歯は磨いたの?」
「磨いた 」
「偉いね!」
「ユキ、俺子どもじゃないよ」
「ふふ、そうだね」


無駄に仲間たちが俺のことを子ども扱いすることだ。俺はもう戦隊ヒーロー役が出来るぐらいには大人なのに。
これがユキだけならまだいいんだ。俺以外の仲間たちは、俺のことをすぐに子ども扱いしてくる。
だから、ってかライは俺より年下だろ!!
俺より1p小さいくせに!


「おやぁ? ハレじゃないか!」
「アメ、相変わらず無駄に気持ち悪いくらいキラキラしてるな」
「ハハハ! ハレの言葉攻めは相変わらず心地いいねぇ――――――!」
「ウザい」
「いやっほぉううううううう!!」


こいつ、ユキにやられればイイのに。
でもきっと治らないんだろうな。
アメってまさか子どもの頃からこんなんじゃないよな……?
いやいやいや、それはマジやばいって!


「ハレが僕だけのことを考えて顔を歪ませてる……ハァハァ」
「ギャー!! ユキ助けてぇええ!!」


俺が叫べばユキは夕飯準備を投げ捨ててすぐに来てくれた。なんか早いな、ユキ。
ユキはブリザードのような目をアメに向けて、包丁を光らせていた。絶対に敵に回したくはないよな。
アメが無体なことになっていくのを見ていると、気配もなくクモリに話しかけられた。
来た、俺を子ども扱いする3人目!


「またアメにセクハラ受けてたのか……」
「うわっ、クモリ! びっくりした、もっと明るく来いよな!」
「これでも明るい方……」
「あー、じめじめすんなって」


てか、クモリ。別に俺はアメにセクハラは受けてないぞ。
変な誤解するなよなー、まったく。


「あ、そうだクモリ! なんか最近携帯に迷惑メールばっかくるんだけど、どうすればいいんだ?」
「ハレに迷惑メールを送るなんて……。すぐさま仲間を集めて攻撃を開始しなくては」
「攻撃? 誰に?」
「ハレ、サイトのURL私に教えてくれ。それとメール拒否がめんどくさいなら、アドレス変えた方が早い」
「え、あ、うん?」


クモリは訳分からないことをズラズラ言うと、俺のメールを見てメモしていくと自分の部屋に閉じ籠ってしまった。
とりあえずアドレスかえなくちゃ、なのかな。


「ただいまー」
「ライ」


ここまできたら、ユキたちは10000歩譲ろうと思う。
でも仲の悪いライまでもが俺に微妙に優しいもんだから、俺は嫌になってるんだ。
俺はみんなと今までの関係のままでいたいのに……。


「また眉間にしわ寄ってんぞ」
「うるせー」
「おら、なんか店長が持ってけって」


ライが俺の目の前に置いたのは、カレーの入った熱々の水筒。
ほら見ろ! このライの気持ち悪さ!
わざわざ自分の嫌いなものを、俺のために持ち帰ってくるとか。ライ、目を覚ませ。お前はそんな奴じゃなかったはずだッ。


「たく、しかたねーな」


お、諦めた……んだよな?
ライはそのまま台所に向かうと、なにか銀色の物体を持って帰ってきた。
俺の見間違いかな。ライがスプーンを持ってる気がするんだけど。


「ほれ、あーん」
「はぁ!?」


おいしそうなカレーが入ったスプーンを、ライが俺の口にわざわざ近づけてくる。
まてまてまて!! ライ、お前は今自分が何をしているのか分かっているのか!?
あーんvなんて、普通恋人同士がやるもんだろ!!
少なくとも俺たちがやる行為じゃないッ。
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