左目探偵AFTER


□双子の過去
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「私と姉さんの待遇は違いすぎた。姉さんはどんなに頑張っても、両親から愛されなかった・・・。」


「典子さんは、努力してたのですね・・・。」



“親に愛して貰う”ために・・・努力なんて必要ないはずなのに・・・。



「姉さんの努力は並外れたものだった・・・。どこの学校でも成績は一番、医学部へ進学して、医師になった。」


「進学に関しては、ご両親も認めていたのですね。」


「姉さんは努力したんだ。水泡に帰す訳にはいかないよ・・・。私も両親を説得した、医師なら世間体も保てると言ってな・・・。だが、姉さんが私より優秀だということは、気に入らなかったようだ。」


「・・・・・・。」



常軌を逸した努力が、無駄になった・・・。
普通の人間なら堪えられないものだろう。



「ある日姉さんに、結婚を前提に付き合っている恋人ができた。同じ病院の医師なら、両親も賛成してくれるだろうと思ったが・・・。」


「反対・・・されたのですか・・・?」



小向さんは暗い顔して頷いた。

双子だからだろう・・・


まるで、典子さんが頷いているように見えた。
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