左目探偵AFTER
□本当だと信じますか?
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“私は貴方の『左目』にいます”ってことは・・・
「つまり、お前は俺の左目が・・・いや、正確には兄ちゃんから貰った『角膜』が擬人化したような存在だってこと?」
「その通りです。私の今の主であり使者は愛之助様です。しかし、外見から分かるように元の主は夢人です。」
俺はソイツ・・・仮に『左目』の今の発言に引っ掛かった。
「左目・・・何で兄ちゃんの名前だけ呼び捨てにするんだよ?」
『左目』はさっきからしつこく俺を“愛之助様”と呼んでたのに・・・
そう言おうとしたが、『左目』がやけに沈んだ表情を見せたから言えなかった。
「『左目』って呼ばれるのは嫌だった・・・?」
「い、いえ。今は貴方が呼びたいように呼んで下さって構いません!」
『左目』は慌てるような素振りで答えた。
「そうですね、何故夢人を呼び捨てにするか・・・。では答える前に一つ質問します。」
「え、どんな質問・・・?」
彼は淡々と話しだした。
「先程、愛之助様は夢人に対し“優しくて、頭がよくて、格好いい”と言いました。・・・それが本当だと信じますか・・・?」