左目探偵AFTER


□もう一人の弟
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「・・・愛之助君、少し私と話しないか?事件のこと、計画のことも・・・お兄さんのことも色々聞きたい。私は、姉さんのことを君に伝えたい。」

「・・・はい、聞かせてください。そして、兄がどのような経緯で犯罪者になったのかを、知って欲しいです。」


小向さんと情報を交換することは、捜査に役立つだけでなく・・・兄ちゃんへの犯罪者としての偏見を持たれないように出来ると考えた。


「兄の本質は決して、『悪』なんかじゃありません。俺との話で理解していただきたいです。」

「・・・わかった。なら喫茶店で奢るぞ、“弟”同士の会話でもするか。」



・・・・・・えっ?



「あの、お・・・弟?・・・もしかして、小向部長が?」


加藤さんは驚きながら尋ねた。俺も先生も『左目』も恐る恐る聞いた。


「あぁ、私は典子の弟だ。・・・小さい頃からよく姉さんと間違われるがな・・・。」


・・・信じられなかった。小向さんは姉と瓜二つなのだから。確かに、髪は短いけど・・・。




こうして俺は“もう一人の弟”に出会った。



-END
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