short

□change off!
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俺らは今…



人生最大のピンチに陥っとります…。






――――

白石side



「ん〜、今日も暑いなー」



汗だくな手でラケットを握りしめながら俺はコートを見渡した。





今の時刻は11時半過ぎ。

今日は土曜日でそろそろ他校との練習試合が近いのもあって朝早くから練習しよる。
けど、いくら俺達が若くてもこの暑さには耐えれんわ。部員もあっちこっちで休憩しよる。





このままやり続けたら日射病や熱射病になるかもしれんな…。



「一時間ほど休憩や。木陰に行って水分補給しとき。あ、飯も食っとくんやで」




俺がそう言うのを待っていたかのように部員達ははしゃぎながら木陰に移動した。



お前ら、はしゃぐ元気はあるんか…。



俺も水分補給しようとしたら


「あ、空やん」



水筒の中身は空っぽやった。
しゃーない。部室に水筒を取りに行くか。



俺は水筒を取りに部室に向かって歩きだした。





もしかしたらこの時からあんなことになるのだと決まっとったのかもしれん…。






――――

in部室


部室の中はまるで蒸し風呂状態。こんなとこにずっとおったらそれこそ熱中症になってまうわ。




ゴソゴソ



なかなか見つからん水筒のせいで汗が床に落ち始めた。あー、体が重く感じるわ。



ゴソゴソ



「お、あったあった」



やっとのこと、俺特製健康野菜汁(乾汁より味は保障できるで)を発見した。
それを持って早くこの蒸し風呂のように暑い部室を出ようとしたら…




ツルッ




「えっ?」




俺は何故か部室に落ちとったバナナの皮に足を滑らし前のめりになって…




アカン、このままやったらコケるって思いよったら…




ガチャ




部室のドアが開いて





「白石?」



金太郎が入って来た。







ゴツン!!!!









いくら俺らの反射神経が良くてもこれは避けきれんかった。




俺は頭にかなりの衝撃を受けその痛みを感じながら意識を手放した。





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