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□偽りの笑顔
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ああ…


なんであんなもん見てしもたんやろ…。






――――




ワイは白石が好き。光や謙也達に対する好きと違う好きや。


白石とおったら楽しいし、いつまでも一緒におりたくなる。それにドキドキが止まらんことなるんや。
反対に白石がおらんかったら寂しくて堪らんことなる。






それを光に言ったら“恋“やって言われた。


“恋“ってなんや?って聞いたら
相手のことが大好きで愛しとることやって教えてくれた。



やからワイのは恋やと思った。やって白石のこと大好きやもん。
愛してるはまだよく分からん。光に聞いても『部長に教えてもらい』って言って教えてくれんかった。








やけどな…馬鹿なワイでも分かるんや。




ワイの“恋“は…





普通やない。



普通の恋はオトンとオカンみたいに男と女なんやって。テレビのドラマでも女が男に恋しとった。
男と男はおかしいんやって…。



やからワイはこの感情を抑えることにした。白石には嫌われたくないから…。
せめて一緒にはおりたいから無邪気に振る舞って先輩として白石を好きになることにしたんや。







もうワイが感情を抑え始めて二週間は経つ。感情を抑えることがこんなに苦しいなんて思ってなかったわ。

今だっていっつも白石のこと考えているような状態や…。
なんか前より悪化したな…。





「金太郎どないしたん?」


部室で皆が遊んでいるのにワイがその遊びに参加していないことに気付いた光が話し掛けてきた。



「ん〜、今日腹が痛いねん…」



腹が痛いことにして白石のことで悩んでいるのをワイは隠した。相談してもよかったんやけどなんでか出来んかったんや。



「金ちゃんお腹痛いんか?」



あ…白石…。

光と話していたのが聞こえたみたいで心配そうに白石が話し掛けてきた。
すると白石は右手でワイの頭を撫でた。




「金ちゃん。今から帰り送ったるから」

「え…」

「お腹痛いんやろ?金ちゃんが腹痛なんて珍しいやん。やからここは用心しとった方がええで?」



なら俺らは帰るで、と言って白石はウェアに着替えているのをやめて制服に着替え直した。
ワイも制服に着替えさせられて白石はワイと自分の荷物を持ってワイの手を引いて部室を出た。




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