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□遊ばれ男子
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金ちゃんはとにかく可愛えぇ。やから皆のアイドルみたいな感じや。
そう皆のや…
部活は朝と放課後とある。俺は部長やから朝は皆より早めに行かなあかん。金ちゃんも、早くテニスがしたい!とか言って早めに来る。
やからほんのちょっとやけど金ちゃんと二人っきりになれる時間が少しだけあるんや。
俺はその少しの時間をむっちゃ楽しみにしとったんやけど…
なんで今日は謙也がおるんや!!
「おー白石やん。おはよーさん」
「あ!白石おはよ!」
あ…金ちゃんが笑顔でおはよって…可愛えぇ!
「おはよ。金ちゃん…と謙也」
謙也がおらんかったら俺と金ちゃん二人っきりやったのに!(泣)
むっちゃ謙也邪魔やねん!
「なんや白石機嫌悪いなぁ」
お前のせいや!
「何でもあらへんよ。それより金ちゃん早うコート行って打ち合おうや」
謙也なんか無視して金ちゃんと二人楽しくしたらええんや。
いつも俺と金ちゃんは皆が来るまで打ち合っとる。これも楽しみの一つや!
「今日はワイ、謙也と打つ!白石とはいっつも打ちよるからええやん!」
…謙也にまた、一個楽しみ取られた…。
俺より謙也なんかい!(泣)
まぁ、部活は後放課後がある。それに昼休みは金ちゃんと二人で屋上か食堂でお昼を食べたらええんや。
うん!完璧な予定や!
…けど、俺の考えは甘かった。今日が地獄の一日になるなんてこのときはまだ知るよしもなかった。
俺は他の奴に金ちゃんを取られないように昼休み金ちゃんを誘おうと話し掛けたら…
「あ、金ち「金ちゃん。今日の昼休み、一緒に屋上でお弁当食べんかね?」
千歳にもろ邪魔された…。お前そんな早口できたんやな、知らんかったわ。
って感心しとる場合やない!まさか千歳に…
ん?さっき一緒に屋上で弁当食べるって…まさか?!
「もちろん二人っきりたい」
やっぱそうか!?千歳も金ちゃんを狙っとるんか…。ライバルが増えたっちゅーことか。
あ、謙也の真似してもーた。
やなくて!これは阻止せなあかんやろ!?
「金ちゃん俺と「ええで!千歳一緒に食べよや!」
まじかいな…(泣)
でも俺はこんなことぐらいじゃー折れへんで!
謙也と違って俺はヘタレやない。これはハッキリ言えるわ!
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