青空彼方

□担任観察
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ほんまに…

教師か?




――――




いやいや待てや!担任って…



「おおーちっこい先生やん!やったな白石!」

「いや俺は別に…」

「なんや?嬉しゅーないんか?!」



嬉しゅーないわけやないけど…

「新米教師やで担任が勤まるんか?」



本当は嬉しくてやばい。でもなんか反発したくて思ってもないことを俺は言っていた。



「新米で悪かったな〜…白石蔵ノ介君…!」

「えっ…」


気付いたら遠山先生が鬼の形相で立っとった。あ…俺今まずいこと口走ってもーた。



すると先生は俺の左肩に手を置いて可愛い顔で天使のような笑顔で微笑んだ。



ギュッ

ん?なんか左肩に痛みが…

ミシミシ…



「痛…痛い痛い!(泣)」

「ま、一年間よろしゅーな…!」



笑顔を貼付けたまま先生は教卓に戻っていった。
ちっこいくせに力だけは凄かった…。



「白石大丈夫か?」


「謙也、新米教師…舐めたらアカン。痛い目にあうで…」

「ん?お…おん?」



俺は明日から一時遠山先生を観察することにした。要注意人物や!








――――
翌日


観察する言っても遠山先生は体育担当。会えるのはHRと体育の授業だけ。

ん〜どないしよう…。



「…ら…し!白石!」


「うわ!謙也か…。いきなり耳元で叫ぶなや!ビックリしてまうやろ」

「俺はさっきから白石のこと呼びよったで!それより何ニヤニヤしとるん?」


俺そんなにニヤついとったんか…


「ま、楽しそうやからええけどな」


楽しい…。
こんな風に何かに一生懸命になるなんて久しぶりやな。せやけど、俺はちょっとあの先生に興味があるだけやし…。どうせすぐ飽きてまう。世間なんて完璧が一番なんやから、今中途半端な俺なんてどうせ…


ガラッ


「席着き〜」



俺が暗いことを考えていた時に先生が教室入って来た。




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