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□偽りの笑顔
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最初から部活をあまりやる気は無かったんやけどまさか白石と一緒に帰ることになるなんてな。
白石と繋いでいる手が熱い…。
ドキドキも止まらん…。
「金ちゃん今日ホンマにどないしたん?そんなにお腹痛いんか?」
「へっ?!」
「薬飲んだ方がええんやないか?」
「だ…大丈夫や!!」
「ホンマか?」
「おん!」
「ならええけど…」
白石はやっぱ優しいな…。前なら喜んどったんやろうけど今のワイにはその優しさが逆に痛いんやで…。
「ほら金ちゃん着いたで」
いつの間にかワイの家に着いとった。白石と一緒なら時間が経つのも早く感じるわ。
「金ちゃん、今日は早く寝るんやで?」
そう言うと白石は頭を撫でてきた。めっちゃ優しく…。
「…おん。白石おおきに」
――――
結局昨日は白石のことばっかり考えてなかなか寝れんかった。
やから今は屋上でサボり中や。
やっぱりワイは自分の気持ちを抑えるなんて出来んわ。
でも白石に気持ち言う勇気なんてあらへんし…。それに言っても勘違いされそうや。
キーコン、カーコン〜
あ、昼休みになったわ。腹減ったな。
カンカンカン
ん?誰かが階段登って来よる。
ワイは急いで給水棟によじ登った。見つかったらサボとったことがばれるかもしれん。後で色々書かされたり部活停止になったりするからめんどくさいんや。
「―――」
「―――」
なんの話しよるんやろ?小さくてよく聞こえんわ。
あ、でも男と女やな。
もう少し近づいてみよ。
「――…やから」
あともうちょい。
「…好きなんや…」
告白か。なら聞いたらアカン…
「ウチ…白石君の事が好きなんや」
え…?
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