Memory does not change.

□第三夜
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真っ白な、どこまでも真っ白な空間に一人だけ男が立っている。
こんなに明るい場所なのに顔がぼやけていて見えない。

ただ大きく黒いピアスだけがハッキリ見える。


その男が手を掲げた。
すると、どこからか棚の様なものが出てきた。
それは縦も横も端が見えないほど大きく、男を取り囲んでいく。

棚で男が隠れそうになったその時、男が小さく微笑んだ。







「――レイ、着いたさ。起きろー!」

「ん…あ、あ?どこだ、ここ…」

「黒の教団の最寄り駅さ。こっからちょっと歩くから」

「分かった」

ラビと神田に着いて行く。

さっきまで、なんだか夢を見ていた気がする。
どんな夢で一体誰が出てたのかなんて一切全く覚えていないが、なんだか奇妙だったような…。

全然思い出せないな。


「レイ?」

「……」

「レイ?大丈夫さ?」

「!…あ、ああ。考え事してた」

ラビが顔の前で手を振ればはっとしたように顔をあげたレイ。
その後はぼーっとすることもなく二人の後に続いた。

しばらく歩くと、人気も少なくなり…。







「……アレが敵の本拠地?」

「んにゃ、アレが黒の教団さ」

レイはラビの言葉に目を丸くした。







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