番外編
□あなたのために
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「……ない」
シークはひとり、男部屋で小箱を片手に呟いた。
そして大きな音を立てて部屋中で何かを探し始めるが、やがて諦めたのかその場に座り込んだ。
しばらくして何かに気付いたシークは男部屋を飛び出していった。
「…ナーミ〜」
「あら、なぁに?」
「ねぇ、おれが貯めてたお金知らない?」
「知らないわ」
「ふぅん」
シークはぷいっと顔をそらしたナミをじっと見つめた。
その視線に耐えられず、ナミは何よ、とシークを睨み返した。
「その服新しいね。ずいぶん高そうだけど、どうしたの?」
「買ったのよ?」
「へぇ…つい最近お金ないから服買えないわぁって言ってたの誰かなぁ?」
「さぁ言ってたかしら?そんなこと」
「白状しろこの泥棒猫ォ!!」
ガンッ
シークの叫び声と同時に鈍い音が響いた。
「い、いってぇ〜…」
「てめェナミさんに向かってなんて事言いやがるんだ!!」
「本当のことだろーがッ」
ドリンクを運んだトレーを投げつけられた頭を押さえていたシークはサンジに胸倉を掴まれ加減なく揺さぶられた。
ぐわんぐわん振られるも口ごたえするシーク。
最終的にサンジはシークを蹴り飛ばしてその喧嘩は終了した。
その隙にナミはどこかへと去っていた。
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