番外編

□微妙な距離
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ここはそこそこ人口が多い島。
中心の町の大通りは、たくさんの店が並んでいる。

この島に海軍の駐屯所はない。
しかし、この平穏な島に海賊が来ることは少ない。
それはこの島を取り囲む強風のせいである。

島の人々は強風の流れをよむことができるので、その流れに沿って船を進め漁などに出かけている。
しかし、時々特殊な能力を持つ者がやってくる時もある。

それでもこの島はほぼ平穏な時間を過ごしていた。



「………」

そんな平穏な島に似つかわしくない人影が一つ。
背格好から子どもと言ってもいいぐらいで、フードを目深にかぶっており顔は見えない。

周りを警戒しているのかきょろきょろと頭を動かしている。

島の住人はこの不審者を訝しげに見ているが、自分からかかわろうとはしない。
何もしないなら別にいいだろう、という考えを持っているのだろう。

そして、この不審者が裏通りへと続く道に入った瞬間、大きな爆発がおこった。



「う、おわああ!!」

吹き飛ばされたのは不審者の方だ。
フードがとれ顔が露わになる。どうやら少年というのが正しいようだ。

髪は碧色でショートヘア。目は水色で爆発がおこったほうを強く睨んでいる。



「なんでこんなトコまでついて来るんだよ…!」

「ん?海軍が海賊追うのは普通でしょ?」

「もー、ホントいや。あんたマジ嫌い」

「あららら、嫌われちゃったね」

「ずっと前から嫌いだよ!」

爆発から出てきたのは白いスーツを来た長身の男。
ただの男ではなく、通称青キジと呼ばれる海軍大将である。

少年は青キジにベッと舌を出し、思いきり威嚇した。






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