white whale!

□第五章
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昼食を食べ終え、甲板に集まる4人

うち3人は隊長、うち一人は右手に包帯を巻き、つい昨日海賊になった青年

その正面には、4人の鬼ごっこを見学しようという、この船の船長

そして周りにも面白そうだと集まった船員達


なんだか大事になっているような…?

というか異議ありだ



「てか、罰ゲームだけってイヤなんだけど」

「ん?なんだ??」


エースが首を傾げる



「俺にも褒美をくれ!!」

「褒美??」

「ほら例えば、制限時間を設けて、俺が捕まんなかったら、なんか、さぁ??」

「決まってねーじゃん」

エースにつっ込まれた

でも、乗せてもらっている身で我がままなことは言えないし…




「グララララ…そんなに褒美が欲しいか?ユウト」

「え、うん…まァ」

親父の言葉に曖昧に頷く

まさか親父が口を挟んでくるとは…



「そうか、じゃあ俺が褒美をやろう」

「えっ!?」

「もしユウトが勝てば、次の島に着いたときありったけの小遣いをやる、それで好きなものでも買え」

「まじでっ!?よっしゃーー!!」

親父の言葉に飛び跳ねて喜んだ

ここの世界の金なんて持ってないし、これで服やら本が買えるなんてラッキーだ!

だんぜんヤル気が出てきた



「よっし!やってやるぜ!!」

拳を握り締め、鬼である3人に向き直る



「じゃあ制限時間は4時間、範囲はこの船内だよい」

「絶対俺が勝つ!」

「いいや、俺が勝つぞ!!」

サッチとエースが何気に睨みあっている



「よし、じゃあ3分待て、目ェつぶれよ!じゃあな!!」

3人をビシッと指差し、目を閉じたのを確認し走り出した






「どっか隠れようかな…」

廊下をそろそろと移動し、周りに気を配る

だがもし部屋に隠れて見つかったら、絶対逃げ切れない

だったら広くて、隠れる場所がいい



「食堂行くか?」

多分、もうすぐ2分くらいだ

ちょっと危ないかもしれないけど…賭けてみるか




足音を立てないように走り、食堂に入った

何人か人は居たが、そのなかにあの特徴ある金髪2人と、オレンジ色の帽子はない



「はぁ…なんで引き受けたんだ」

そう呟いて、溜め息を吐いたとき


ぞくっ、と背後からの嫌な気配に気付いた



「っ!!」

振り向くと同時に勢いよく後ろにとんだ

するとさっきまで自分がいた所に、蹴りが下った



「な、なっ!?」

まー綺麗な蹴りが決まったと思ったら、その足の持ち主はマルコでした



「おお、よく避けれたよい」

「うおおおい!!てんめー!これ鬼ごっこだよな!?なんで攻撃してくんの!?ダメだろ、死んじまうって!!」

力の限りに叫ぶが、マルコは攻撃をやめてくれなかった

何でですか!?


マルコは机を蹴り飛ばしながら追いかけてくる

こわいこわい、ズルイよあの人…!!

飛ぶのは卑怯だ!!!









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