I do not believe me.
□第一話
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調査兵団が壁外調査に向かうため馬に跨り門が開くのを待っている。
その先頭には調査兵団の団長、エルヴィン・スミス。
その少し後ろにいるのは兵士長のリヴァイ、その隣には分隊長のハンジ・ゾエがいる。
そして、リヴァイの近くには黒髪の青年が立っている。
右目は隠れているが、左目は澄んだ青色をしている。
その青年の名前はリト・エルザス。
馬には乗っていない。しかし、その背には調査兵団の証である自由の翼が縫い付けてある。
「兵長、すいませんでした…同行できなくて」
「全くだ。自己管理も出来ないのか、てめェは」
「ちょっとリヴァイ、止めなよ。風邪なら仕方ないよ、ね?リト」
「…」
リトは申し訳なさそうに頭を下げた。
しかしその表情は無表情なままだった。
「その状態で無理に壁外に出たら怪我じゃすまないからな。
ちゃんと安静にしてるんだぞ。リト」
「はい。お気をつけて」
振り返りリトを気遣うエルヴィンにリトは軽く頭を下げてから、右手を左胸に当て敬礼した。
その後すぐに門が開き、調査兵団は壁外に向かった。
「……」
リトはしばらくその場に立っていたが、やがて自分の調査兵団本部へと帰って行った。
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