I do not believe me.

□第一話
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リトは危なげもなく巨人を倒し、訓練兵の元へ戻って行った。



「あの、なぜ調査兵団がここに」

訓練兵がそう言いかけたところで鐘の音が鳴り響いた。



「やっと撤退命令か…事情は後だ訓練兵、早く本部に行こう」

「あ、はい…」

二人はガスの補給に向かったが、途中で何人もの訓練兵が集まっているのに気付きガスを止めた。
頭を抱えてる者もいれば、何か口論している者もいる。

リトは座り込んでいる少年に近寄った。


少年の名はジャン・キルシュタイン。
第104期訓練兵団を6番で卒業した実力者であるが、彼は絶望的な顔をしていた。



「どうした」

「!…お前、あれが見えないのかよ」

「?」

ジャンに言われ、指さす方向を見るリト。



「あれは…」


それは巨人たちの群がる本部だった。

なるほど、と一人うなずくリト。
ジャンは呆れたような顔をしたが、リトの背を見た瞬間目を見開いた。



「お、お前…調査兵団なのか!?」

「…まぁな。ついでに言うとお前より年上だから、言葉遣いには気を付けた方がいい」

「あ、ああ…」

ジャンはおどおどしながら答えた。
しかしその目は期待に満ちている。

この調査兵団の兵士ならどうにかできるんじゃないか、と。

だが、それも一瞬のこと。
前衛にいた駐屯兵がほぼ全滅したという事実を思い出し落胆した。
どうせこの人にも無理なのだ、と。




「あの!あなたなら、あいつら倒せるんじゃないんですか!?」

「!」

突然叫んだのは、リトと一緒に来た訓練兵だった。









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