I do not believe me.
□第一話
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「この辺りでいいか…」
リトはトロスト区のちょうど中央の辺りで止まった。
訓練兵や駐屯兵たちは何班かに別れて行動している。
しかしリトは一人で行動していた。
弱い仲間たちを庇いながら戦うよりも巨人を減らして訓練兵を守ろうと考えたからだ。
「!」
リトの視界に入ってきたのは3m級の巨人だ。
建物に隠れて見えなかったが、まだ何体かいる。
どうやらリトに気付いたようだ。
「ここまで巨人が来てるのか…ということは前衛はほぼ全滅、かな…」
ふー、と息を吐いて剣を抜いた。
巨人に向かって一気に駆け出す。
まずは3m級の背後に回りうなじを削った。
そして勢いそのままに立体機動装置を駆使して残りの二体の巨人も片付けた。
驚くべき速さ。
常人のレベルを超えている。
「!」
ドンッ
近寄ってきていた10m級の巨人がリトに手を振り下ろした。
リトはすぐに屋根へと登ったが背後にまた巨人がいる。
「……」
リトは慌てることなく、機動装置で移動し巨人を倒した。
「多いな、どうも…」
そりゃそうか、ここを守ってるのは訓練兵。
巨人を殺せず死んでいってるのだろう。
「もっと前に行くか…」
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