青学

□君のために
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全国大会が3日後に延期になった。
不二は練習の前に夢華の病室を訪れると、医師や看護師がバタバタと走り回っている。 ベッドに寝ている夢華には沢山のチューブがつながれている。
不二は理解が出来ずに立っていると、夢華の両親が近づいてくる。
夢華の父親が泣いている母親の肩を抱きしめながら口を開いた。
「夢華はもう長くない、持って3日だろう・・・。」
不二の肩から掛けていたラケットケースが落ちた。
「・・嘘ですよね?持ってあと3日?そ・・そんな、だって昨日は元気だったのに?」

不二はゆっくりと夢華に近づいて行き、膝をつくと夢華の手をそっと握った。
「夢華・・・3日後、全国大会の決勝があるんだ・・・。僕はシングルス2で戦うと思うよ。君のために優勝してくるからね。
そしたら君に言いたい事があるんだ。」
不二は握っていた手を放すと夢華の両親に軽く頭を下げ、床に落としたラケットケースを拾うと病室を後にした。
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