颯大と李亜
□静養
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しばらく李亜に学校を休ませることにした。
歩くのもツライのに、体育の授業なんか、まともに受けれるハズがねぇからな。
李亜は、オレとあまり話そうとしない。
「李亜」
ビクッ
呼んだだけで恐がっちまう李亜。
「何もしねぇよ」
「………」
「足、痛みどうだ?」
「大丈夫…っく…ふっ…」
「オレ、出掛けっから、何かあったら、メールか電話しろよ?」
「はい…」
李亜は布団を頭までかぶった。
オレはスーツを着て、ネクタイを締める。
「ちゃんと寝てろよ」
部屋の鍵をかける。
颯大さんが出掛けた。
スーツ着てるなんて珍しい。
いつもは、ラフな格好なのに。
足…痛いなぁ…。
そうだよね…自分の身体なのに…自分で自分の足の色見るの…恐いもんなぁ…。
どうしたらいいのかなぁ?
コンコンッ
「はい」
カチャン…ガチャッ
「煌さん…」
李亜は、ゆっくりと起き上った。
「颯大じゃなくて…ごめんね。今、颯大、親父さんに呼び出されてるから、李亜ちゃんの様子見に来たんだ。ご飯、食べた?足の痛みはどう?」
「……足は…痛い…です…ご飯は…」
言葉が途切れる。
「食べれてないんだね(苦笑)」
「食べたく…」
「食欲ないんだよね?」
「はい…」
煌は、煙草に火をつけながら考えた。