颯大と李亜
□初めての夜
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オレには、婚約者がいるが相手はまだ中学生だ。
最初話を聞いた時は相手の女はマセガキなんだと思ってた。
ところが逆に本当に組長の娘か?と思うほど純粋だった。
親父がヤクザの組長だから、オレにきた縁談は、敵対する組とお互いの組に手を出さないためでもある。
オレの妹も高校を卒業したら、相手の組に嫁ぐことが決まってる。
オレも時期がきたら、いずれは組を継ぐことになる。
オレは、今、22歳だが、酒もタバコも中坊の頃にはやってた。
女を初めて抱いたのもその頃だ。
オレは、今、敷地内の離れに住んでる。
婚約者である李亜(りあ)と一緒に。
一緒に住むことでお互いのことを知れということらしい。
「李亜、宿題終わったか?」
「………」
オレは宿題をしていたはずの李亜に声をかける。
李亜はまだ、中坊だから、一応、何をするにしても勉強を優先させてやる。
「李亜」
李亜の小さな勉強部屋に行くと、李亜は、机に頭をつけて寝ていた。
「李亜!!」
オレが怒鳴るとビクッと反応し、目を覚ました。
そして、オレを見るなり、怯えた顔になる。