shortDream3
□投げやりアドバイス 後日談
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本当に、私は、どうかしている。
「‥‥楓?」
まだ彼が名前で呼んでくれている。
それに喜びを感じている自分がいる。
なんで?
「‥最近、その、あの子とはどう?」
「‥‥楓の最後のアドバイス通りにしてみてるぜ?」
「‥‥そ、か。どう?成功してる?」
俯いて、そう尋ねると、突然腕をぐい、と引っ張られた。
驚いて顔を上げると、そこには笑顔の黒羽君がいた。
え、何?なんなの?
「成功してるよ。あのアドバイスのお蔭で、初めてオメーから話し掛けられたんだからよ。」
自分の策略が、彼に見事に悪用されてしまった気分だった。
それももう良いか、なんて。
「なぁ、俺からアドバイス、してやろーか?」
「へ?」
すると黒羽君は、いつも私がするように、溜め息を吐いて呟いた。
告白しろ、そしたらその恋実らせてやるから
(ばーか。好きになってましたよ、この野郎。)
(よく出来ました。)
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