shortDream3

□どっち派?
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「日向クンて、ポッキーかトッポ、どっち派?」

「ちょっと待て雨音。いきなりなんなんだ。そしてバリバリ名前出して大丈夫なのか?」


突然そんな事を口にした雨音に俺は突っ込んだ。
雨音はそんな事より、ねぇどっち派?と聞いてきた。
…そんなに重要な事なのだろうか。


「‥ポッキーだな。」


一応答えると、雨音は顔を輝かせ、がっしと俺の両手を掴んできた。


「お、おい‥‥?」

「やっぱりそうだよね?!ポッキーだよね!?‥皆トッポの方が好きだ、って言うんだよ?」


ポッキーすっごく美味しいのに!と唇を尖らせ拗ねたように言う雨音。
なんで突然そんな話になったのか疑問に思ったが、いつもの事だと言われればその通りなので聞かない事にした。


「皆ね、トッポは最後までチョコがあるから良いんだとか言うけど、ポッキーはチョコのないあの部分も美味しいんだからね!」


寧ろあの部分が大好きなのに!と雨音は一人呟く。
まぁ俺もその意見に賛成だが…。


「ところでさ日向クン。」

「なんだよ?」


またどうせ突拍子もない事を言い出すんだろう、と少し身構えるも、雨音はその続きを中々口にしない。
そんなに言い辛い事なのだろうか、と疑問に思いつつも相手の言葉を待っていると、漸く雨音は口を開いた。


「もうじきさ。ポッキーの日だよね。」


ポッキーの日。
そういえばそうだったな、とふと思い出し頷くと、雨音はじゃじゃーんっと声でSEをしながら何かを俺の目の前に出した。


「‥‥ポッキーの箱?」

「箱だけじゃないよ!ちゃんと中身もあるよ!」


ぴりっと箱を開けて中から袋を取り出し、それも器用にとってみせると中身を見せてきた雨音。
いやそれは分かってるけど。


「急にどうしたんだよ?」

「‥‥日向クンにお願いがあるんだ。」


真剣な表情でそう言う雨音に、俺まで真剣な表情になる。
嗚呼、と頷くと、雨音は爆弾を投下してきた。


「ポッキーゲームとは何か、教えてほしいんだ。」

「?!」


瞬間、俺の顔が熱くなるのを感じた。


「なっ、お、おま、?!」

「皆に聞いてみても教えてくれなくてさー。日向クンは知ってる?」

「…えっ?!あ、嗚呼、」



あれだろ?どっちがはやくポッキーを折る事が出来るか競うゲームだろ?


(なぁるほど!え、じゃぁやろうよ!れっつぽっきー!)
(‥‥お、おう‥。)
((‥‥このヘタレ‥))
(あれ?狛枝?狛枝も一緒にやるー?)



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