shortDream3

□超平凡級な私
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寂しい。嫌だ。行かないで。

それが本音だった。
どんな才能だろうと、貴方があの希望ヶ峰学園へ行ってしまう事実は変わらない。


「わ、幼馴染が希望ヶ峰学園の生徒って凄くない?自慢だなぁ!」


違う。本当は引き止めたいんだって。
違う。私はこんな事が言いたいわけじゃないの。


「うんうん、じゃぁ此処でお別れ、ってわけか。なーんかちょっと寂しいね!」


ちょっとなんかじゃない。
凄く寂しいよ。行かないで。嫌だ。


「楓、」

「そんな顔しないでって!ほら!元気が一番だよ?」


やめてよ。なんで貴方なの。
引き止めたいのに。


「…その言葉、そのまま楓に返すよ。」

「‥‥っ」


やめてよ。そんなに優しくしないで。
やめてったら、ねぇ。そんな優しく、抱き締めないでよ。


「ねぇ、楓。僕らはもう二度と会えなくなるわけじゃない。ううん、会おうと思えばいつでも会えるんだ。」

「‥‥でも、」

「確かに、今までに比べたら会う回数は相当減るよ。でも、その程度で僕らの心は離れない。‥そうだよね?」


やっぱり、いつも貴方は私を救ってくれる。
実はね、私馬鹿な事を考えていたんだ。
もしこのままの気持ちだったら私は、"超高校級の絶望"として希望ヶ峰学園に転校できたんじゃないかな、って。
でも、こんな事言われちゃったら、そんな事、できるわけないよ。


「‥分かってるって。よし!じゃぁ私毎日家におしかけに行くね!」

「そ、それはちょっと‥‥。」


確か貴方は"超高校級の幸運"だったっけ。
でもね、貴方の超高校級なのはそれだけじゃない。
超高校級の希望でもあると思うよ。
少なくとも、私の中では。


「ねぇ、」

「何?」


ありがとう、誠。



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