shortDream3

□投げやりアドバイス ふたつめ
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また、来た。


はぁ、と溜め息を吐き、ベランダの方へと視線を向けた。
ガラス戸越しに見える彼の微笑み。
私は顔を顰めた。

コンコン、と開けろと言わんばかりに叩かれたガラス戸。
段々鬱陶しくなってきて、私はガラリ、と開けた。


「今晩は。楓嬢。今日は貴方にお渡ししたい物があって参りました。」


ニッと口角を上げて笑った彼は、私が言葉を上げる前に、3、2、1、とカウントダウンをし始めた。

すると今まで何もなかったキッドの手に、バラの花束が握られていた。

私の頬が引き攣ったのが分かった。

バラの花束を半ば押し付けられ、そのまま帰って行ったキッド。

お前もう二度とくんな、マジで。



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