shortDream

□Trick and treat
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「楓!Trick and treat!」



にぱーっと満面の笑みで両手をこちらに差し出してそう言うのは吉田春。


そう、今日は10月31日、ハロウィンの日なのだ。



「ん、どーぞ。」



お菓子を持たないなんて致命的なミスをしなかった事を内心喜びながら相手にドヤ顔で飴玉を渡す。




「さんきゅーなー!じゃー悪戯させろ。」





「え」





飴玉を受け取り礼の言葉を口にした次の瞬間ハルの表情が変わった。
この人は何を言っているのだろうか。




「ハル。あのね、お菓子を貰ったら悪戯出来ないんだよ?」




「んな事ねーぞ。」





「いやあるんだって。」






「だって俺Trick "and" treatって言ったし。」





and、の部分を強調して言うハルに思わず目が点になる。
なんてコイツは狡賢いのだ。




「っつー事で、悪戯。」




にっと口角を上げ笑った彼の顔は、
多分一生忘れないだろう。



あとからハルがこんな賢い事考えるわけがないと思い、
誰にそんな狡い知恵を聞いたんだ、と問いかけたところ少し予想をしていたササヤン君からだそうだ。勿論納得したのは言うまでもなかった。







Fin.


(久し振りにこんな短編を書いたなぁなんて。そしてハロウィンネタとか出遅れすぎにも程があるだろうと後書きを短く付け足してみる←)

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