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□夜の校内探検隊
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ピューピューと寒い風が教室の窓から入ってくる。
でも今のあたしとハルにはそんなの関係ナッスィングなのだ!



『夜の校内探検しようぜ(よ)!!!』



2人揃って目を輝かせて言い放つと雫が呆れた顔を、あさ子は口を開けたまま硬直、ササヤンがいつも通りの笑顔のままその様子を眺めているようだった。




「2人で行ってきたら?」




「皆で行くから楽しいんじゃないの!ねぇハル!!」




「そうだそうだ!強制だぞ!」





前回(隣町の廃屋)前々回(近くにある公園の怪談に出てくる隣の幽霊さん)と断られたが今回ばかりは引き下がるまいとあたしとハルは言う。




「ほら、一夏の思ひ出・・・否、一冬の思ひ出みたいな!!」




「ぜってー楽しいって!なぁ、行こうぜ!」





「生憎。数学のプリントの提出日が近い。だから私はそれを早急に済ませなければならないんだ。だから・・」




「そんなのいつだって良いだろ!っつーか前もその前も何かと理由つけてバッサリ切り捨てたじゃねーか!」





「そうだそうだ!!!」





「ミッティー、行きましょうよ・・!!」






「・・夏目さんまで何を・・・、」






「勿論ササヤンも来るよな!」





「うーん。皆が行くんだったらついてくよ、俺。先生に叱られてどうかなってしも知らないけどね。」





「ササヤン君の言う通り、先生に見つかったら成績表にも影響するだろうし・・・」






「よし、今日の夜の・・何時が良いんだ?」






「うーん、あ、どうせならあたしの家皆で泊まるって事にしてさ、」





「おおっ!それ良いな!・・仲が良い者同士がやるお泊り会、ってやつだな!」





「探検が終わったらあたしの家でお泊り会・・そしてそこで怪談話ッ!」





「うおおおお!!!楽しみだなっ!****」





「・・・・聞いてないみたいだね、水谷さん。」




へらりと雫の方を向いて笑うササヤン。
それに雫は溜め息一つを洩らしたのであった。








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