shortDream
□気づいてくれないあなたにちょっぴり嫌悪
1ページ/1ページ
「エギルーっ!!!」
「おお、楓!」
楓が店に辿り着くなりエギルに抱き着く。
エギルはにっと笑みを浮かべると楓の頭を撫でる。
その光景を俺が黙って見ていられるわけがなかった。
「キリト、すげぇ不機嫌そうじゃねぇか。」
にやにやと笑いながらそう言うエギル。
エギルに殺意が湧いたのは言うまでもないだろう。
「で、今日は何の用なんだ?」
「あ、私がエギルに会いたかっただけ!」
へへ、と笑って未だにエギルに抱き着いている楓。
「ほぉ・・態々なぁ。」
嬉しそうにそう言ったエギル。
そろそろ俺も限界だった。
エギルに抱き着いている楓をエギルから引き離して相手の手を引いて店を出る。
去り際に、
「頑張れよーキリトー!」
「次会った時は殺す・・。」
つい怒りが抑えきれずにぼそりと思わずそう呟いてしまった。
「ちょ、キリト?エギルー!またねー!」
いきなりの俺の行動に驚いたのだろう。楓は目を瞬かせながら俺を見た。
「どうしたの?キリト?」
気づいてくれないあなたにちょっぴり嫌悪
「別に。なんでもない。」
ぶっきらぼうにそう答えた俺に首を傾げた楓だった。
.