shortDream

□あなたがずっと前から好きだった
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「っでりゃあああああああああっ!!!」



ザンっとお得意の技で敵を真っ二つに切った彼女、楓。


いつ見ても凄いな、と思う。
それ以外言葉が思いつかなかった。



「お疲れ、相棒。」




「ん。」




すっ、と華麗に着地した楓にそう声を掛ける。





「・・あのさ。キリト。」





突然そう声を掛けられビクっと肩を震わす。
振り返るとすぐそこに彼女の顔があった。
驚きのあまり顔を赤面させてしまう。
それを慌てて隠すかのように相手から顔を逸らす。
そんな俺に首を傾げながらも口を開く楓。




「お腹空いたからどっか食べに行かない?」





相手のその言葉にガクッと肩を落とした。
別に何も期待なんかしてないんだけど。





「嗚呼、良いかもな。俺も丁度腹空かしたとこだったし・・。」





腹を押さえて微苦笑を洩らし相手にそう言えば、楓はその俺を見て笑みを洩らして言った。




「決定だね。っはぁー・・朝食まだ食べてないもんね、本当お腹空いたー!」





っんーっ!と伸びをしてそう言う彼女。
確かに今日は朝起床してすぐにこうして経験値稼ぎだ。
起床してから既に3,4時間は経っているに違いない。

と、そんな事を考えていると急に楓がキリト、動かないで。と言った。
少し驚いたが言われた通りに動かないでいると、ゆっくりと彼女の顔が近づいて来た。



これはもしかして、もしかして・・なのか?!




と思いつつもそれを表情には出さず相手の行動を待つ。
そして思わず俺は目を瞑ってしまった。



そう、俺は・・・、










あなたがずっと前から好きだった













すると俺の髪をそっと何かが触れる。
そっと目を開けてみると彼女の手が俺の髪に触れていた。



「ふふ、キリト。寝癖なおってないぞー。」








再び俺が肩を落とした事は言うまでもないだろう。







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