shortDream2
□じー。
1ページ/1ページ
じー。
「・・・・。」
じーー。
「・・・・・。」
じーーー。
「・・・・・・・;」
じーー・・・。
「ねぇ、さっきから何でずっと僕の事見てるの?」
くるりと後ろを振り向き相手を見るとその人は慌てたようにえ、あ、う、と言葉になっていない声を出した。
「可愛いなぁ・・と思って・・。」
俯きながらその人がぽそり、と言った。
「えぇ?僕が?パンダくんじゃなくて?」
きょとん、として首を傾げるとその人は頷いた。
「・・・えっとー・・ありがとう?」
「あ、あの、抱き着いても良いですか、!」
おずおずとそう聞いてきた相手に驚く。
「え?」
「め、迷惑なら良いんです!」
そう言ったその人がしゅん、としているのを見て僕はふるふると首を横に振って大丈夫大丈夫。と言った。
こんな可愛い人に抱き着かれるなんて寧ろ嬉しいしね、なんて内心思っている自分を放置してじゃぁどうぞ、と一言。
「わ、あ、有難う御座います!*」
その人は嬉しそうに笑うと僕に近づいてきた。
そしてそっと抱きしめてきた。
「わぁ・・ふわふわだー、*」
そう言って頬を摺り寄せてくる。
正直僕より君の方が何倍も可愛いと思うんだけどなぁ。
「あ、そういえば君の名前は?」
「楓です、ペンギンさん。」
「あれ?僕の事もしかして知ってる?」
「割と毎日来てるんですよね。」
そう言ってもふもふー、っと目を細めてまた頬を摺り寄せてくる楓さん。
あれ、なんでこんな可愛い人に気付かなかったんだろう僕。
「ほはぁ・・有難う御座いましたー、」
そう言ってへにゃりと笑った楓さんは僕から離れた。
ちょっと名残り惜しいと思ったのは内緒。
「楓さん明日も来るの?」
「はい。そうするつもりです。」
ほわほわとした笑みを浮かべながらそう言った楓さん。
じゃぁ明日も抱き着いてもらおうかな、なんて。
今から明日が待ち遠しいや。
Fin.