longDream *桜が咲く季節に*
□第3話 桜
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世界会議の日の夜。私は菊‥さんの家で泊まる事になった。
「空川さん、狭い所ですみません、」
菊さんが苦笑しながら言った。
え、狭いってなんだったっけ。
「Σまったく狭くないですよっ?!あ、それと空川さんなんて…いいですよ、名前で呼んで下さい!*私の方が明らかに年下ですしね。」
すると菊さんは、狭いと思いますがとぶつぶつ何か言ってから、
「そうですか‥?では、楓さん、とお呼び致しますね。」
と言った。
「さんもいらないのに…」
「いえ、これだけは外せません。」
キリリとしながら菊さんが言うので私は諦める事にした。
「嗚呼。あの、楓さん。私の事は菊と呼び捨てになさって下さい。それと敬語は外して下さって構いませんよ?」
普段はきっとそのような喋り方ではないのでしょう、とふわりと微笑んだ菊さんに少し驚かされつつも、私は慌てて言った。
「Σ菊さんだけ私をさん付けするなんてずるいですっ!」
「ふふ・・良いじゃありませんか。」
くすりと笑みをもらしながら菊は言った。
「なんならお兄ちゃんでも良いですよ?」
にこにこしながら菊はそんな事を言い出したので、私は観念して呼び捨てにする事にした。敬語も止めさせてもらったよ、うん。
というかこの人は本当にオタクなんだなぁ、と再認識。
まず一番はじめにトリップって言い出したのそう言えばこの人だ、と今日の事を思い出した。
けれどまぁ菊だし、と思い直して夜ご飯の事を尋ねる事にした。
「菊ーっ!今日の夜ご飯は何ー??」
わくわくしながら私が尋ねると、
「今日は肉じゃがですよ。」
と微笑を浮かべながら菊が答えた。
「Σおおおっ!肉じゃがーーっ!!**」
私がそうはしゃいでいると、菊はくすくすと笑っていた。
「Σな、なんだいっ!子供だって言いたいんでしょう!こっこれでも13歳だもんっ!」
「爺から見たらまだまだ子供ですよ*」
「Σ・・・爺じゃないでしょー?こんな若いじゃんーっ!」
「ふふ・・・爺ですよ・・*」
あ、でもそういえばこの人200歳は余裕で超えてるんだっけ、なんてふと思い出した。
もうそれ爺どころの騒ぎじゃない気が。
そんな他愛の無い話をしていると肉じゃがは出来た。
「‥なんかごめんね、私手伝えば良かったよね。」
「いえいえ。爺の話し相手になってくれただけでも嬉しかったですから。」
言いながら、お皿を机に並べる菊に私はお皿並べくらいは手伝う、と言って2人でお皿を並べ、夜ご飯を食べた。
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