花屋の小さな怪物
□4輪
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『リンタリンターリンタリンタリンターアアー!へい!』
有名なアノ曲の濁音抜きバージョンを口ずさみながら花の手入れをする名前。
そんな名前をみて元気だなぁと微笑む男が名前に話しかける。
「お嬢ちゃん。そこのバラを100本、いやありったけくれないか。」
『はい!かしこまり〜…あ、ゴリラ。』
「え?ゴリラ?今この子初対面の人に向かってゴリラって言った?」
『言ってないですよゴリラ。てかバラとか似合わないでしょうからこっちのバナナのなる花にしたらどうでしょう。』
「なにこの子!!すごい失礼なことズバズバ言ってくるんですけど!!てか今絶対ゴリラって言ったよね!?しかもそれバナナなんかならないでしょ!明らか枯れてんじゃん!ただの枯れた茎じゃん!」
はぁはぁとツッコミ疲れたゴリ…真選組局長近藤勲。
『大丈夫ゴリか?このバナナのなる花は信じるものには見える綺麗な花があるんですけどね。やっぱゴーリーには見えないんですね。』
「ゴリって聞こえたからね。おじさんには聞こえたからね。もうツッコまないからね。とりあえずバラくださいっ!お願いします!」
『はいはい。お代はバナナじゃなく現金でお願いしますよーっと。』
そう言いながらバラを取りにいく名前。
「勲あんなひどい子はじめてみた。」
局長は泣いていた。
『あのー。』
「はいっ!?」
泣き止んだ近藤に話しかける名前。
『あと2時間後くらいに入荷するみたいで今あんまりバラがない状態なんですよ。だから私がここに届いてからあなたお宅までお届けしに行くってことでもよろしいですか?』
「おお!それは助かるな。では"真選組屯所"まで頼むよ。」
『・・・』
「どどうした?いきなりかまって…うおお!?」
がばっ
『あんた最高だよゴリさん!!!!』
いきなり名前に抱きつかれおどろく近藤。
なにが最高なのかわからないがちょっと嬉しかったため、
「ま、まあな!がはははは!」
と笑う近藤だった。
「(だめだっ、俺にはお妙さんという…)」
『(よっしゃあ!屯所デビューだああああ!!!)』
興奮してさらに強く抱きしめる名前に近藤の心の中の葛藤はヒートアップした。