フシトリオと短編1

□日
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日曜日



今日は朝から調子が良い。

6時起床、すぐに朝ごはん作りを開始。
色々あったがなんとか7時にはピザトースト完成。
唯一の得意料理、これをシカマルさんに食べて貰い「美味しい」と言われてしまった。
死んでもいい。

後にお掃除と部屋の片付けをしシカマルさんに「頑張ったな」と褒められた。
絶命してもいい。

そして2人でDVD鑑賞。家にあった糞SF映画がまさかこんなところで役立つとは。
わけ分からん単語ばっかで1つも理解できなかったけどシカマルさんが食い入るように見てたから別にいい。
素敵すぎる。


…なんか、問題も何一つ起きないし幸せすぎる。いいのかな、こんなんで。


若干心に引っかかりながらそれでもシカマルさんと楽しく過ごせるのはこちらとしても満更でもないのでいいとして。



…あぁ、幸せだ。


こんな幸せ、ずっと続けばいいのに。



「そう言えば遠藤さん思ったより早めに帰ってこれそうだってよ」


だけどふいに言ったシカマルさんの言葉に思わず首を傾げてしまった。


「早めに、って。何がですか」


純粋にそう思った。ので聞いてみたら彼は驚いたように目を丸くする。
何でそんな顔されるのか分からない私はきょとんとしてしまう限りなのだが、次の彼の言葉が私に現実を突きつけた。


「今日が1週間目じゃねぇか」


…1、週間目?

………あれ、そうだっけ。


記憶を遡り考えること数秒。




「…えっ、じゃあシカマルさん帰る日?!」


そういえば母から私の面倒を見てと頼まれた期日は1週間。
ということはあの人たちが帰ってくるならシカマルさんはもう家に帰ってしまうんじゃ。

嫌な予感がして聞けば、


「当たり前だろ」


と呆れられたような目で言われた。



その時の気持ちは、もうまさに、天国から地獄。




「…忘れてた」



先ほどまでのほんわかな気持ちなど何処へ。
一気にどんよりと薄暗い気持ちになる私に対しシカマルさんはなんてことない、いつもの態度。

お父さんが趣味で集めたDVD集を興味深そうに見ている。



「シカマルさんが、帰っちゃう…」

「なにショック受けてんだよ」

「だって忘れてたから」


そう言えば最初からそういう話であったのに。
1週間限りのお世話役だったのだから。なんで逆に忘れてたんだ自分。くそう。


「…は!」


じゃ、ちょっと待て。

私まだシカマルさんに想い伝えてないよ!伝えてないのに離れ離れになっちゃうとか、なにこのドラマ!


くそ、今日中に想いを伝えなければ!

シカマルさんに想いを伝える決意をしてぐぬぬと握り拳。その際チラリと様子を伺ったが、彼はほんとうになんてことない表情。

…くそ。
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