ギラリン長編小説〈少年編〉

□大地
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「ど、どうやって移動したの?」

「もしかして君、魔力を
しらないのかい、?」

聞きなれない単語にイアンは
眉を寄せる

「しらない…」
正直に答えると、ギラヒムは
意外そうな顔をした。

「ふうん、てっきりまだ
戦いに備えてるかと思ったんだけど、
……まあいいか。そんなことより君、空から落ちてきたんだろ?」

その言葉にイアンは
自分の置かれた状況を
思い出す。

「そうだ!僕、修練中に…落ち…て、」

色々なことがありすぎて
すっかり忘れていたが、
どうやってスカイロフトへ戻れば
いいのだろうか。そもそも
此所はどの位置に浮かんでる
島なのか、自分のロフトバードは
無事だろうか、ごちゃごちゃと
考えているとギラヒムが顔を
除きこんできた。

「どうかしたのかな?」


「……此所は何処?」
イアンが不安げにギラヒムを見上げると、ギラヒムは腕を組み、にやりとした。

「大地だよ」



「だいち?…ってどの辺に浮かんでる島なの?」
きょとんとしてイアンがいうと、

ガク、とギラヒムが肩を落とした
おまけに大きなため息を吐く。
「全く、君は何もしらないのかい?…思っているよりも人間は腑抜けに
なっているようだな…まあ、
その方が私としては色々と
都合がいいんだけどね。」


「都合??」


「いや、此方の話でね…そうだな。
……大地ってのは島じゃ無いんだ。

それに浮かんでもいない。
君たちの住んでいる島の
ずっとしたにある場所の事だよ。」

あそこから落ちてきたんだよ。
と、言って頭上に広がる大空を指差されてイアンは更に青冷めた。

「ど、どうしよう…ロフトバードも雲海は越えられないのに…」
ましてやその雲海の下に落下してしまうなんて、このままではスカイロフトに帰る事は出来ないだろう。


「イアン君。困ってるみたいだね?

…そんな君にちょっとした
提案があるんだけど、」

ギラヒムは楽しそうに笑った。
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