main。
□まどろむ中に。
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ぽかぽか陽気の午後。
絶好のお昼寝時。
閉じたまぶたに聞こえるのは、一定のリズムでめくられる雑誌の音だけ
…雑誌ってゆか、十中八九、ジャンプ。
うつらうつらと微睡みながら、とりとめなく思考が流れる。
『ん〜〜〜、ぽかぽかあったかで気持ちいいアル。』
『お昼寝時間、最高ネ。』
『昼間からぐうたらなんてゼイタク………?』
『あれ?ゼイタクってゆか、なにもないからぐうたらしてるアル。』
『依頼もない、だからお給料もない…』
『どんだけダメな職場アルか?こんなんじゃいつまでたっても欲しいものなんて何も買えないアル。』
そう思ったら、さっきまで心地よく響いていた、ジャンプの音にイラっときた。
『ジャンプなんて読んでる場合アルか?あのダメ天パ…仕事もない、お金もない、ないない尽くしの甲斐性無しアル…』
『………………………………』
『……………………………』
『…………………………』
『………………………』
『……………………』
『…………………』
『………………』
『……でも。』
『お昼寝できるソファーがある。』
『酢昆布だってある。』
『定春もいる。』
『オマケのオマケでダ眼鏡もいれてやるアル。』
また、パラリとめくる音。
『それと…、銀ちゃんがいる。』
『あれ?なんかいっぱいあるネ。』
『あと欲しいものってなんだろう?』
『………………………。』
『欲しいものはぜんぶある、ぽかぽかで、あったかで、ぐうたらで、気持ちいいネ。』
『やっぱり最高に贅沢アル…』
『…………………。』
『……………………………。』
『………………………………………。』
静かに響くページをめくる音に包まれて、
流れる思考も終了で、
幸せ気分いっぱいで、
今はすっかり夢の中。
end。