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□おやすみの前に
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「ふぁ−−−−−っ」
部屋の中央にあるソファに深くもたれてナイフの手入れをしていたベルが大きく伸びをした
「おぃ、カエル!そろそろ寝んぞ」
「あ、どーぞお先にー。ミーはまだやる事ありますからー」
書きかけの書類に視線を落としたまま振り向きもせず返事をするフラン
「てめェ、王子が寝るっつたら寝んだよ!あぁん?」
「…ホント自由な人ですねー。ミーは忙しいんですよー」
ドスドスドスッ
カエルメットにナイフが突き刺さる
「…なにするんですかー。明日の朝一番でアホのロン毛隊長に報告書出さなきゃならないんですよー」
ナイフが刺さったままやっと振り向き、恨めしそうな顔でつぶやく
「しししっ。そんなんほっとけよ」
「三枚おろしにされちゃいますよー。ミーまだ生きていたいですー」
「なんなら今すぐ人生終わらせてやろうか?王子の手によって」
「…堕王子」
ドスッ
今度はカエルメットの正面にナイフが刺さる
「アレだよアレ!待たせんなよカエル!!」
「またですかー。ベルセンパイってばホントに好きですよねー」
「うるせーヨ。てめェは黙って王子の言うこときいてりゃいーんだよ」
ため息まじりに立ち上がりソファに近づくフラン
「じゃあー、せめてこのナイフ抜いてくださいよー」
「イヤだね。そのままでいーじゃん」
「…毎晩こんなことしてるのクソボスにバレたらボッコボコですよー。ただでさえヴァリアー内暴力ひどいのに…ミー身体がもちませーん」
「カエルの身体なんかどーでもいーし♪早く来いよっ!!」
ニヤニヤしながらベットに潜りこむベル
「…はぁ〜」
ベットの端に腰をおろし 「今日は1回だけですよー」
「−−−−−−−むかしむかしあるところにおじぃさんとおばぁさんがすんでいました」
フランの手には『日本むかしばなし』というタイトルの本が広げられていた
「んーー♪ジャッポーネのおはなし大〜好き♪これ聞くとよく眠れんぜ。ししっ」
「…あぁー早く辞めたいですー。こんな職場ー」