sweet story 【日常編】
□【5月のおはなし】
1ページ/2ページ
♪Bloody prince Bloody prince Bloody Be…
−−ピッ
「もしもしー」
「なぁ、まだ帰って来ねーの?」
「30分おきに掛けてきても事態は急変しませんよー。まだ着いたばっかですしー」
電話の相手は恋人ベルフェゴール
今日は師匠に呼ばれ、幼い頃、師匠に拾われた後に過ごしていた街に来ていた
そしてベルからは『早く帰ってこい』コールがひっきりなしに掛かってくる
「呼ばれたのが日本じゃないだけ良かったと思って下さいねー。ここからなら夜には戻れますんで」
「王子、そんなに待てない」
なんて嬉しい事を言ってくれるのだろう
以前にも増してベルのフランへの愛情表現は解りやすくてストレートだ
「お土産買って帰りますよ、何食べたいですかー?」
「フランを食べたい」
「ストレート過ぎですー///」
なんて会話をしていたら師匠・六道骸が近づいてきた
『なにをしているのです?おチビ』
電話の向こうから聞こえる声にベルが反応した
(六道…骸)
「あー、師匠。ちょっと待って下さいねー」
「おいフラン!まさかそいつと二人っきりとか言わねーよな?」
「え?二人きりですよ?ニーサン達は出掛けてるらしくて」
『おチビ、その被りものをとって早くこちらに来なさい』
ピキッ
ベルのこめかみに怒りのマークが浮かぶ
「フラン…ナニやってんの?カエルメット外すとかありえねーけど?」
「えー…あーちょっと…」
ベルからの問いに口籠もるフラン。更に怒りのマークが浮かぶ
それに追い討ちを掛ける様なフランの言葉が耳に届く
「あー、ちょっと師匠ー、そんなに押し付けないで下さい」
『クフフ、おまえが待たせるからですよ』
ピキピキッ
「おいフラン!ちゃんと抵抗しろ!!」
「え?抵抗って言われても…いつもの事ですしー」
「いつもってナンだよ!?オレは聞いてねーぞ」
『おやおや、いつの間にかこんなに大きくなって…』
「やだなー師匠。いつまでもガキ扱いしてー…あれ?もしもし?センパーイ?」
ピキピキピキッ…
ドッカーン!!
「…殺す」
「へっ!?」
「六道骸、今から殺しに行く」
ブチッ、ツー……