sweet story 【日常編】
□ヴァリアー大宴会
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「今夜は無礼講だぁ。カスもザコも好きなだけ飲んで喰って騒ぎやがれぇぇー」
「「おー!」」
スクアーロの掛け声で始まったヴァリアー大宴会
面と向かってそう言われた訳ではないが、恐らく自分が戻って来た事も含めてのものなのだろう。こういう場には滅多に顔を出さないボスまでが黙ってグラスを傾けている
「フラン様に乾杯!」
「あー、どうもですー」
「これでベル様に八つ当たりされなくなるな」
「よかったよかった」
なんて声まで聞こえてくる
(センパイ…ミーがいない間、一体…)
当のベルは自分の隣に陣取っているものの、マーモンと楽しそうに話している。昔の話でもしているんだろうか
普段ベルが自分の前で酒を飲むことはなかったので珍しい光景だった
いつにも増してニヤニヤと上機嫌のベルを見ているだけでも幸せな気分になる
(お酒ってそんなに美味しいんですかねー)
マーモンとの話に夢中になっているベルのグラスにそっと手を伸ばし、クンクンと香りを確かめてグラスに口をつけようとすると
「フーランッ!」
ベルに呼ばれた
「オレ飲んだのココからな。ししっ」
自分が口をつけた位置を指差す
(間接キスですかー。今更ですけどー)
でもまだ飲んでもいないのに耳まで赤くなってしまった
いつもよりピッチが上がり早々に出来上がったスクアーロをボスが自室に"お持ち帰り"になると、おっかないのとうるさいのがいなくなった酒宴の席は更に盛り上がった
ボスが退席してしまい、気落ちしたレヴィはダイニングの隅で雷撃隊とテーブルを囲んでいる
みんなグラスを片手にワイワイと楽しそうだ
自分も本来ならこういう騒がしい席は好きではなかったが今日は何となく気分が良い
センパイと再び出逢えた事も、ヴァリアーに戻れた事も、666回の不運を覆す幸運な1回…にしては嬉しい事が多すぎか…あ、ヘルリング使ってないや