sweet story 【日常編】
□ミンクにやきもち
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「あぁ」
ミンクを抱いたまま、そっと隣に腰を下ろす
「…」
「…」
お互いに真っ直ぐ前を向いたまま言葉を探す
「「あのさ」 「あのっ」」
そして同時に口を開く
二人の顔を見比べていたミンクがするりとフランの腕から抜けて、今度はベルの首に巻き付いた
「どしたんですかー」
「ん、最近コイツ使う程の任務ねーからさ。たまには出してやんねーとと思って」
チョイチョイと鼻先に触れるとミンクはちゅうちゅうとベルの指を吸った
「ふーん。ミンクには優しいんですねー(ミンクの事聞いたんじゃないのに…)」
「ん?」
どうしてミーのところに来てくれないんですか……
「−−ミンクばっか構っちゃって…」
つい本音が出てしまった。しまったと思った時にはもう遅かった
ニイッと口元を緩めたベルが肩に腕を回してくる
「それってミンクにやきもち?もしかしてオレに構って欲しいワケ?」
「そんな事言ってませんよー」
しっしっと、肩に置かれたその手を払うジェスチャーをする
「いーや言ったね」
「言ってないですー」
ぷっ ベルが小さく吹き出す
「ったく。素直じゃねーよな、オレのカエルはさ」
「その言葉、そっくり堕王子にくれてやりますー」
「オレだって傷つく事あんだぜ?」
「にわかに信じられませーん」
いや、本当はちょっと思い当たるけど
「そーやってポンポン返してくんの嫌いじゃねーけど」
「けど?」
時折ふっと寂しげな表情を浮かべているの、気付いてない訳じゃない
「なんつーか、もっと甘えて欲しいな、とか。ま、おまえそーゆーキャラじゃないから期待してねーけど」
ベルと想いを通じ合わせてから、自分としては随分変わったと思うのだけけれど、やはり昔から身に付いたものはなかなか抜けないもので"甘える"こともまだ上手く出来ないもどかしさは自分でも感じていた
「ベッドの中だと結構素直なのにな。ししっ」
「妄想すんのヤメて下さいねー」
「なぁ。オレの事、好き?」
「さーどうでしょう?センパイはどうなんですかー?」
「オレ?オレはモチロン好…っと。フランが言ってくんねーからオレも言わね」
(( 本当は大好き ))
「おいでミンク」
両手を広げるとベルの首から軽やかに降りてくる
「よしよし。誰かさんと違ってミンクは素直でかわいいですねー。んー…」
「あっ!ちょっストーップ!」
「え?」
「それは王子とだけ!いくらミンクでもダーメ!」
今度はベルがミンクにやきもちを妬く
ちゅっ
仲直りのKiss
「キィ♪」
ミンクが嬉しそうに鳴いた
(2011.4/11)
→side B 『ミーの匣兵器』へ続く
◆注意◆
side Bは裏表現を含みます
閲覧は自己責任でお願いします
side Bを読まなくても本編の流れに影響はありません