Out!

□暑いのに
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『暑い‥‥』


さっきからコレしか言ってない気がする‥‥

夏も中旬で、せわしなくセミが鳴いている夏休みに入り、部活もしていなく
家でダラダラしていると
担任からのラブコール‥‥‥

頭がよろしくなぃのだ
成績は中ぐらいだが、授業中は居眠り



先ほど近くで買ったアイスを取り出し舐める

バニラはすっきりしていて美味しい




太陽は休むこともなく真夏の日差しががんがん肌に刺してくる

とにかく日があたらない場所を歩いていると



「・・・・ロール?」

ああ、とぅとう幻聴が聞こえてきた



「こんな暑い日に何ってんだぁ?」

『高瀬こそ‥‥なにやってんの〜?』

「俺はいつものように野球だよ」

よくこの暑い中やるよな・・・
目の前には自転車の乗った高瀬
高瀬の言ったように、かごにはエナメルバック

もう一度いうように
この暑い中ほんと、よくやるなー


視線を高瀬から空へ、空から手元のアイスへ

ぁ アイス溶けてやんの

「アイス美味そー。つかとけてんじゃん」

とけたバニラアイスが手に伝っている

『あーあ』
高瀬のせいで溶けちゃったよ

「俺のせいかよ」

ちぇーなんて言いながらバックからアクエリを取り出しごくごくと飲みだす高瀬

『そーいやぁ、利央は元気??』
「あー・・・利央ね、いつもの通りいじられてるよ」

あははなんて乾いた笑いをこぼすと高瀬もニシシなんて子供みたいな笑いをこぼす


あぁこの笑いに弱いなぁなんて、頭の片隅で考える

利央のことはホントはそんなに気にしてるわけじゃない(いや、少しは気にしてるよ?!)



ホントは高瀬ともっと長く話せる口実

じゃないとあなたは、すぐにどこかに行ってしまうから





ほら会話が途切れたそばから視線は・・・・


『・・・アイスがどうかしたの?』
「いや、美味そうだなぁって」

あぁ、とうとうアイスにも負けてしまったのか

終わったな・・・夏


「一口頂戴!」

そういいながら高瀬は溶けかけのアイスを食べてしまった


「うま♪」
あぁ、もうこのアイス食べれないじゃんか!
間接キスだよコノヤロー


「何?食べねーの?んじゃ貰っていいか??」

『ん?あードーゾ』

手を伸ばすとその手を掴み、溶けたアイスがついた手を舐められた

『・・・・んな?!』
「・・・・」

口を離すと残ったアイスを食べてから
高瀬の顔がどんどん近づいて・・・ん?

口にひんやりつめたいものが触れてすぐに離れた





「ごちそうさま♪」


『・・・・』




やっと俺の気持ち気づいた?





(お互いに鈍感だったとはね)
(野球見に来いよ?)
(・・・暑い)(そこは我慢してくれよ・・・)

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